理事長、学長挨拶
理事長挨拶
公立諏訪東京理科大学
理事長
北原 政彦
社会は変化を続けていくものですが、それにしても昨今の変化は激しいと感じています。
今までの前提が次々と崩れていく中で、それを乗り越えるための知恵や行動力を獲得する場が高等教育を担う『大学』であると改めて考えています。
日本社会の経済的な低迷は失われた30年とも称されますが、ここにきて新型コロナウイルス感染症パンデミックやウクライナを巡る国際社会の対応等、起こりえないと考えていたようなことが顕在化し、日本だけではなく国際社会の低迷が懸念される時代状況です。
人類が基本的人権の尊重を基調とした社会を維持発展させていくためには、食料問題、エネルギー問題、地球温暖化問題等、解決しなければならない課題が山積していて、多角的なアプローチが要求されています。 本学が担っている工学分野もそうしたアプローチの重要な部分を占めていて、人材の養成、輩出は喫緊の課題です。
山紫水明のこの地で、工学の知識やDX等の知識を身に着け、社会に貢献できる人材として成長していくことを本法人の全教職員が支えていきますので、学生の皆さんも大学で学ぶことができるという意味を主体的にとらえて、学びかつ遊び、人間として成長していくことを心から期待しています。
学長挨拶
学長
濱田 州博
学び続ける力でVUCA時代を先導する人材に
公立大学法人として2018年に再出発した公立諏訪東京理科大学は、起源とする短期大学、私立大学時代を含めて30年以上の歴史を有しています。その間、理工学を基盤とした教育研究を推進するとともに、工学と経営学の融合教育を行い、地域社会に対して人材輩出や共同研究等で寄与することを目指してきました。
一方、現代は、Volatility(変動性)・Uncertainty(不確実性)・Complexity(複雑性)・Ambiguity(曖昧性)の頭文字をとったVUCA時代「先行きが不透明で、将来の予測が困難な時代」と言われています。このようなVUCA時代には、本質的な課題を発見し、解決する力、本質を見抜く力が不可欠です。また、自らの頭で考え、感性や経験に基づいて創造的なアイデアを生みだす力も必要です。さらに、新たな事柄に対応するために、汎用性の高い基礎力を身に付けることも重要です。これまでも大学では、このような力を培うための教育が行われてきたと思いますが、VUCA時代にはより一層これらの力を培うための教育に取り組む必要があると考えます。
そのための教育としてSTEAM教育が注目されています。STEAM教育とは、理系分野の複合的な知識を持つ人材を育成するためのSTEM教育(Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)の頭文字)に、Arts(リベラル・アーツ)が加わったものです。大学でのSTEAM教育において「A」の充実が理系分野の教育である「STEM」をより活かすことになり、「A」の部分がそれぞれの大学の特徴を表すことにもなります。是非幅広く「A」を学んでほしいと思っております。
様々な角度から学び、専門教育だけでなく、幅広い知識を身に付け、貪欲に新たな学びを心がけ、VUCA時代を先導する人材に成長していってほしいと期待しています。そして、地域社会を含む広い社会で活躍することにより、公立諏訪東京理科大学が地域の「知の拠点」と認知されることを願っています。