國行 浩史教授 Hiroshi Kuniyuki

教員紹介

研究キーワード

自動車衝突安全・予防安全、自動運転、交通事故分析

研究内容

「安心で安全なクルマ社会の実現」を目指し、現在および将来起きるかもしれない交通事故の要因の調査・分析・予測を行い、自動車衝突時の被害軽減や運転支援、自動運転および事故防止技術の研究をしています。
<研究例:中山間地域における交通事故ハザードマップの道路線形の解析を用いた構築>
長野県などに多い中山間地域では、道路のカーブや勾配など地域特有の事故要因が潜んでいます。研究室で開発した実車型広視界ドライビングシミュレータによる再現で運転特性の分析を行い、また、現地調査から道路を3次元モデルで構築して道路線形を分析することで交通事故リスク指標を考案しました。そのリスク指標を交通事故ハザードマップ化し、交通事故削減に向けた情報を発信しています。(本研究は2019年度 公益財団法人JKA競輪の補助を受けて実施しました。)
<研究例:交通事故統計データを用いた事故要因抽出手法に関する研究>
交通事故の要因を事故データから解明するためにロジスティック回帰分析やベイジアンネットワーク分析などの手法を用いて分析を行い、特有の事故要因を解明しています。長野県の事故を分析した結果、カーブ路の速度超過による四輪車単独事故が死亡重傷割合の非常に高い事故に繋がることを示唆しました。

実車型広視界ドライビングシミュレータ

道路3次元モデル




交通事故ハザードマップの紹介<四輪車編>

https://sus.box.com/s/wmis8rlj8ldj3z8xnvbc9un808ih1ovi



<研究例:道路線形別の二輪車挙動解析による運転危険度評価手法の構築>
 長野県は県外の中高年ライダーによる自動二輪車単独事故が多く、カーブや勾配などの道路線形に対する不適切な運転操作の影響が考えられる。本研究では、二輪車運動シミュレーション(BikeSim)および開発した二輪車ドライビングシミュレータを用いた分析から、カーブ曲率や勾配に応じた運転操作と車線逸脱への影響を解明した。その結果、速度超過や車体リーン角のわずかな不足からも大きな車線逸脱を引き起こす要因になることがわかり、特に不慣れなライダーは模範ライダーに対して車体リーン角の操作が不十分であり、不適切な運転操作が単独事故に繋がっていることが示唆された。四輪車と同様に自動二輪車も車速とカーブ曲率の関係が事故リスクに繋がっており、自動二輪車単独事故の多発地点に対して事故リスク評価モデルによる交通事故ハザードマップの情報発信をしています。(本研究は2022年度公益財団法人JKA競輪の補助を受けて実施しました。)

二輪車ドライビングシミュレータ

二輪車運動シミュレーション

交通事故ハザードマップの紹介<自動二輪車編>

https://sus.box.com/s/17txi7yq8qammckwkhnlh681vmu2r0a0

研究から広がる未来

電気自動車や自動運転技術の目覚ましい進化により、自動車は100年に1度といわれる大きな変革期を迎えています。新しい技術でより安全な自動車が期待されてはいますが、新たな自動車と人や社会との関わりが求められ、これまでには想定されないような状況においての交通事故が発生することが懸念されます。未知の交通事故を事前に顕在化させ、未然に事故防止を図っていくことが重要であると考えます。究極の交通事故のない世界を目指して、研究室から情報発信をしていきたいと考えています。

WEBオープンキャンパス動画

当研究室のWEBオープンキャンパスの動画が見られます。

研究室の様子

ドライビングシミュレータ走行用の道路モデルの構築や運転評価を学生自ら工夫を凝らして積極的に行っています。ドライビングシミュレータの画期的な汎用モデルを考案し、学生プログラミングワールドカップ(FORUM8主催)を受賞することができました。また、交通事故の要因や状況を分析するためにはチームでの協力が必要でです。研究室で実際の交通事故現場に出向き、全員で協力しながら調査、分析を行っています。自ら調査した現場から得られる真の情報とデータ分析から、よりリアルなシミュレーションのモデル化や真の事故要因の解明を図ることを大切にして研究活動を行っています。

メッセージ

受験生の皆さまへ、
進化するクルマ社会に興味のある学生を求めています。より安心で安全なクルマ社会づくりへの貢献を一緒にChallengeしていきましょう。

企業等の皆さまへ、
クルマ社会の安全性、信頼性の評価ならびに対策を様々な視点から支援ができます。共同研究や研究協力などができることをうれしく思います。お問い合わせご相談ください。

リンク

工学部機械電気工学科

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