星野 祐教授 Tasuku Hoshino

教員紹介

研究キーワード

制御工学、ロボット工学、振動工学、 劣駆動システム、次世代モビリティ

研究内容

本研究室では、ロボットマニピュレータやパーソナルモビリティなど、モータで駆動される機械の制御、その中でも特に、自由関節をもつ機械(劣駆動システム)の運動制御の研究に取り組んでいます。数学・力学を使ってシステムの性質を明らかにした上で、その結果に基づいて独自の制御手法を提案し、制御最終的にそれらの機械を思い通りに動かす(または思い通りに止める)ことを目的とした研究です。具体的には全方向移動可能な球乗り型/継手型モビリティの開発、劣駆動二足歩行ロボットの開発、半導体製造装置等の位置決めに伴う残留振動の抑制、吊り下げ物資を輸送する際に生じる振動の制御などの研究を進めています。研究はモビリティや実験装置の設計・製図・組み立てから、制御系の設計とシミュレーション、さらには電気電子回路の設計・組み立て及び制御系のコーディングと実機実験まで、研究に関わる全てに及びます。今後、情報技術を活用したモビリティの運転支援や農作業支援にも取り組む予定です。

研究から広がる未来

少子高齢化に伴い、労働人口が減少すると共に高齢者への医療・介護の提供が求められています。製造業や建設・土木、農林水産業、運輸業における自動化・省力化、及び医療・福祉現場の支援などに、広い意味でのロボット(電気で動く機械)が大きな役割を果たします。当研究室は制御技術に立脚したロボットの開発により、それらに寄与することを目指しています。開発中のパーソナルモビリティはMaaSの社会実装に寄与する1デバイスであり、中山間部におけるラストマイルの移動支援、安定性に優れた電動車いすの実現につながります。振動制御は搬送・輸送分野の自動化を支える技術であり、工場内の製造装置やロボット等の位置決め性能を向上させるため、また、無人航空機による山岳地帯や離島への物資搬送を安全に実現するために欠かせない技術です。これらの研究を通して人間社会に役出つロボットや機械の開発を進め、持続可能な社会の実現に貢献したいと考えています。

WEBオープンキャンパス動画

当研究室のWEBオープンキャンパスの動画が見られます。

研究室の様子

研究室には双腕6軸マニピュレータや、これまでに開発したSCARA型ロボット、パーソナルモビリティ、全方向電動車いす、2足歩行機などの実験装置があります。学生は1人1テーマで研究を進め、個人で責任をもって研究を運営しています。もちろん、テーマには共通点もあるので、学生同士の協力もあります。研究の前半は数式を使った検討、コンピュータによるシミュレーションや機械の設計・製図などデスクワークが中心です。後半になると研究室にある数々の工具、機械部品を使って装置を組み立て、さらに装置組込みコンピュータのプログラムを開発して、最後に制御実験を実施します。ロボット等の開発は多くの知識を必要とするため、本研究室では3年次までの学び(それが身についていること)を重要視しています。また、3年次前期と後期のゼミ研究でロボット工学や制御工学分野の具体的な学びを進め、専門性を高めるようにしています。

メッセージ

研究室で開発している機械は、Toyではありません。本学科で学ぶ基礎教育や専門教育を踏まえて、解析・設計する専門的な機械です。その意味で、学生の皆さんには高校までの学びや本学入学後の学びに真摯に取り組み、それらを修得することに務めて下さい。制御工学やロボット工学は数学や物理学の応用であり、難しい面もありますが、検討の結果として得られる成果は正確で有用です。企業の皆様には課題をお持ちでしたら共同で検討させて頂ければ幸いです。

リンク

工学部機械電気工学科

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