今村 友彦教授 Tomohiko Imamura

教員紹介

研究キーワード

燃焼工学,火災安全工学,冷媒,着火,微小重力燃焼,レーザー着火

研究内容

工学とは「理論と実験によって自然の法則を見出し,これを活用してわれわれの生活を豊かにするための学問」です。本研究室では,主に物理・数学・化学(伝熱学,流体力学,熱力学,物理化学)を基礎学問分野とする「燃焼現象」に注目し,根底となる基本法則を明らかにするとともに,燃焼現象を生活に役立てる「燃焼工学」を研究しています。
例えば流れているガスへの着火性は止まっているガスへのそれとはまた異なりますし,宇宙空間での着火・燃焼挙動は重力がないので,地上のそれとは異なります。また,着火にはエネルギーが必要ですが,その与え方次第で着火性が大きく左右されます。これらの現象が何に支配されるかを追究し,簡単に現象を予測できるモデルの構築を目指して研究を進めています。実験によらず計算で現象を解析するシミュレーションにも積極的に取り組んでいます。また,昨今のSNSの普及を受け,火災・爆発事故にかかわるこれらのビッグデータを解析することで事故の全容を明らかにしようとする研究も行っています。

研究から広がる未来

当研究室の研究テーマには国や企業からの委託を受けて進めている研究が多くあり,まさに世の中のトレンドに直結しています。例えば,地球温暖化原因物質が一部用いられている冷媒を,より環境にやさしい物質に転換しようとすると,どうしても多少なりとも燃焼性を有する物質を用いる必要があります。当研究室ではNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)からの委託を受けてこの燃焼性評価技術に関する研究を実施し,その成果により2016年に法律改正が行われ,地球温暖化抑止に貢献しました。現在でも,さらに環境にやさしい物質の探索が進められており,当研究室でも引き続いて燃焼性評価を進めています。 また,微小重力環境下での可燃性物質の着火性とその消火技術は,今後普及するであろう宇宙旅行を安全なものとするために不可欠ですし,レーザーによる着火技術は熱損失の少ない着火法として,環境性能の高いエンジンの開発に直結すると期待されています。このように,火災・爆発事故の防止から,環境保護,高性能エンジン開発,宇宙旅行まで,燃焼工学には無限の可能性が広がっています。

WEBオープンキャンパス動画

当研究室のWEBオープンキャンパスの動画が見られます。

研究室の様子

当研究室には高価な実験機器が所狭しと設置されており,いずれもフル稼働させて活発な研究活動を行っています。着火現象は高速現象なので,現象を正確にとらえるには高速度撮影技術,サーモカメラなどの熱画像計測や,化学種が有する発光をとらえるイメージインテンシファイアを用いた光電子増倍撮影技術,シュリーレン法という密度差を可視化する撮影技術などが必要です。当研究室ではこれらの高度な撮影技術を有しています。また,数値シミュレーションについても汎用ソフトウェアとマシンを数台取り揃え,充実した計算環境を構築しています。Pythonなどのプログラミングを用いて微分方程式を解く手法についても研究に取り入れています。
一方で,研究成果の発信にも努めており,国内外の学会へ精力的に出かけています。成果が出れば学部生のうちから発表に出かけ,おいしい食事も堪能しました。今はコロナ禍でなかなか実施できていませんが,研究室でのバーベキュー大会や研究所見学などのイベントも豊富です。

メッセージ

火災・爆発を防止し,安全かつ環境にやさしいエアコン,エンジンから宇宙開発まで,「燃焼工学」には無限の可能性が広がっています。燃焼という物理現象を数式で予測できるモデルを立て,これが実験結果と一致したとき,そしてそれが実用的に役立った時の快感は一言ではなかなか言い表せません。そしてそのベースに立つのは,まさにいま高校で学んでいる物理,数学,化学などの知識です。ぜひ,当研究室で「燃焼工学」をともに研究して,その快感を共有してみませんか? これぞ大学の醍醐味です!

リンク

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工学部機械電気工学科

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