山岳・子ども・高齢者見守り
小さな発信機の位置情報をインターネットに送り、スマホで確認することができます。
背 景-解決すべき地域課題-
登山客の多い長野県において、相次ぐ遭難者への対策が問題となっています。連絡を受けた捜索隊が遭難者を探そうにも、位置情報の手掛かりがないために捜索時間が長引いてしまい、命を落としてしまうケースもあります。登山客の位置情報がわかれば、捜索にかかる時間を大幅に短縮できることにつながります。
子供や高齢者の見守りについては、携帯電話回線を使った端末が市販されていますが、あまり普及していない状況です。その原因の一つが、端末を数日おきに充電しなければならないという状況にあると思われます。
概 要
諏訪地域の技術とLPWAを使用し、スワリカブランド独自の見守り送信端末を開発しました。端末は加速度センサを搭載して、持ち歩いているときにだけ自動で電源が入るようになっています。LPWA無線が低消費電力であることから、2~3か月は電池交換が不要になっています。また、位置情報のプライバシーを守る独自の仕組みを持ったアプリケーションや、機器を抵抗なく持ち歩くための袋などを試作して実証実験を行いました。
技術紹介
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- 低消費電力・長距離無線
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電池1本で3か月程度動作可能かつ携帯電話の届かない場所からの通信を実現しました。
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- 捜索・携帯が容易な筐体
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山岳地での捜索がしやすいように目立つところに設置しやすいような工夫を取り入れ、見つけやすい色にしました。
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- 様々な見守り
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子供や高齢者が持ち運びやすいように、地元産業を活用した見守り袋を試作した。また、自転車へ取り付け可能な器具を試作しました。
実証実験概要
- 小学生見守り
- 小学生数十名に端末を持っていただき、登下校を見守る実証実験を行いました。保護者からのご意見では、良い点として電池持ちが良いこと、悪い点としてGPS情報が不正確な場合があること、を挙げていただきました。いただいたご意見をもとにGPS情報の精度が落ちた場合の対策を加えることができました。
- 高齢者見守り
- 見守り袋に入れたデバイスを高齢者に持っていただき、実証実験を行いました。電子機器の容姿では持っていただけない高齢者から、親しみやすいという評価をいただきました。ただし、端末の大きさには課題があるという評価もいただきました。
- 応用編
レンタサイクル見守り - 諏訪市にあるホテルからの要望により、レンタサイクルの位置把握のため自転車に取り付け、実証実験を行いました。レンタサイクルの利用客が抵抗なく持ち運びできることを確認することができました。
参加企業・団体
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株式会社エー・アイ・エヌ
基板、アプリケーション開発
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株式会社みやま
筐体開発
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8knot
筐体デザイン
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有限会社茅野工業
取り付け金具開発
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一般社団法人蓼科塾
見守り袋開発